inside story

予告編第一弾 季節の移り変わり

2023年8月14日

映画の予告編を更新したので、今までの予告編は第一弾としてこちらに。

この予告編は、2023年2月からの撮影に入る前に、クラウドファンディングで応援して下さる方を募集するために「これからこんな映画を作ります」というご説明のために作成した第一弾です。

まだ本撮影に入っていなかったのですが、秋のシーン撮影をするために12月の終わりに数シーンだけ先に少人数で撮影していましたその際の映像と、イメージ映像、セリフを組み合わせて作っています。

季節の移り変わりを表したいと考え、夏→秋→冬→春と設定しています(44分の短編でなんと無謀な・・・)。予告はイメージ映像なので夏のひまわりもありますが、本編ではもちろん咲いておらず。映画冒頭の引っ越しのシーン、夏に見えますように・・・(少し梅雨っぽくも見えなくもない?)。

秋っぽい風景を探したのが12月中旬のロケハン(撮影地探し)。その時にはイチョウがきれいだったのですが、実際の撮影は12月27日になり全て散っていました(涙)
その子が「解離?そんなんじゃありません」とショックを受けるシーン、秋に見えますよね

ちぃ役:水野日頼さん イラチ役:イワザキさん

撮影を終えておつかれさまでした

こちらも撮影終わりにポーズ!

子役さん、俳優さんへの配慮について

2023年06月20日 

見てくださった方はお分かりと思いますが、中盤から後半にかけてのイラチ、ちぃ(とぬいぐるみ)、その子のシーン、また後半の会議室のその子と杉沢のシーンについて、どのような準備と撮影を行ったのか、ご説明します。

まず、撮影に入る前の脚本を読んでいただく段階で、各俳優さんに、どこまではできる、それ以上は難しい、といった確認を行いました。

ベランダのシーン、並びに後半の会議室のシーンは、それぞれの俳優さんがしっかりそれぞれの役柄を理解し、どのような方法なら表現できるかと考えて提案してくださり、相談して決めました。危険なことや意図しないこと等がないよう、何度かテストを行い、撮影後にも俳優さんに確認を行ないました。

ちぃ役の子役さんや付き添いのお母様には、オファーの段階であらすじを、決定した段階で全体のシナリオをお渡しして趣旨を(少なくともお母様には)理解していただき、お子さんにお伝えいただきました。

ぬいぐるみのシーンは撮影3日目で、ちぃ役の俳優さんは参加2日目だったのですが、撮影1日目にイラチ役の俳優さん含め、全人格さんたちに一緒に遊んでもらっていて、ぬいぐるみシーンの当日も「これはお芝居で、嘘っこだよ」とお話しし、テストを何度かして、それからの撮影でした。

カットがかかった瞬間には、イラチ役、その子役の俳優さん始め、スタッフも「おぉ〜、ぬいぐるみが!」と笑いが起こり、ちぃ役の俳優さんも仲間に入って、笑って過ごしてもらえました。
(ぬいぐるみも、そうなることを前提に、今作品用に作ってもらっています)

撮影は、昼間に暗幕を使って夜のシーンを撮影するなどして子役さんの可能時間内に撮り終え、夕方には帰宅されました。

映画全体を通して、すべての俳優、スタッフが、物理的にも心理的にも安全に、創意工夫や持てる力をのびのびと発揮できるよう留意し、また何か問題が起こった際の相談先をお伝えし、制作いたしました。

2023年4月24日舞台挨拶 左から友塚結仁(監督)、野々村すずか(その子役)、野崎紗矢(セクシー役)、小林瑠衣(しっかり役)

新宿K’s cinemaでの上映が無事に終わりました!

2023年04月27日 

スタッフ・キャスト総勢24名、撮影期間3ヶ月(8日間)、編集期間1ヶ月を経まして、映画『Team その子』が完成し、4月24日(月)に新宿K's cinemaにて上映いたしました。

当日は、月曜の夜遅い時間にもかかわらず、全84席の内74席のご入場がありました。上映終了時には拍手もいただき、温かく受けとめてくださったことが感じられました。

大きなスクリーン、素晴らしい音響の中で、多くの方に見ていただき、信じられないような、夢のような時間でした。ありがとうございました。

舞台あいさつでは、劇中の衣裳「8万円!?」のワンピースをお二人に着ていただき、登壇していただきました。


【いただいたご感想の抜粋】

・表現したいことが一本まっすぐあって、しっかり響く作品だと思います。
・素敵なシネマでした。
・グッと来ました。テーマにグワっと食いついて離さない、そして最後に希望を感じさせるあの曲。最後まで惹きつけられました。俳優さんたちも皆すごい演技でした。
・最後のシーンはスクリーンで見れて本当によかった。
・多重人格とここまで誠実に向き合った作品は本当に初めてで、優しい信念を感じました。
・丁寧な心理の描写と時々の表情と変化、多重人格の心が少し分かりました。カウンセラーの女性いいですね。
・しずかで苦しく 強くてやさしくて つらくてあたたかい、うつくしい映画でした。
・エンディング曲をもう一度聴きたいと思いました。
・感動しました。内容もさることながら、1つ1つの音がとても優しく、映像の1つ1つに想いと優しさを感じました。
・社会的にも意義の有る作品で理解が深められました
・とっても、心が苦しくなりました。芝居でも上演してほしい。
・上映が1回というのはもったいないと強く思いました。何度も観たいと思いました。

ーーー

これから多くの方に見ていただけるよう、模索していきたいと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

映画『Teamその子』で、人格さんたちを複数人で演じてもらう意図

2023年04月4日 (WAN連続エッセイ「100人と共に生きる虐待サバイバー」(3月3日)より一部抜粋して転載)


WAN(Women’s Action Network)で連続エッセイ100人と共に生きる虐待サバイバー」を連載していらっしゃる真野あやみさんから機会をいただき、寄稿させていただきました。


ーーー

今回の映画では、主人公その子と、その子の中に生まれた人格さんたちは、それぞれ違う 俳優さんたちに演じていただくことにしました。

もちろん、実際の解離性同一性障害(DID)の症状のある人は、姿形が急に大きく変化したり 背が10cmも伸びたり縮んだりということはありません。しかし、映画として見ていただくにあたり、DIDを良く知らない人が見て「こんな感じで違うものなのか」とパッと直観的に理解できることを重視しました。


DIDの方がよく言われてしまう言葉の中に「また演技してる」というものがあります。

DIDのことを全く知らない人にとっては、

・記憶が断絶して繋がらない

・自分がしないこと・好きじゃないことを、他の人格がやっている

とは思いもしないため、「私がそんなこと言うわけない」「それは私じゃない」と話す DIDの方に、「不都合なことがあると言い訳する」「別人のような演技をする」と思ってしまったりして、人間関係が難しくなってしまうことがあります。


人格さんによって、考え方や好みといったことだけでなく、できること・できないこと、 アレルギーや血圧といった身体的な特徴まで違うこともあるんだ、という現実を、見て感じていただければと思っています。(友塚)

ーーーー


よろしければ解離性同一性障害の当事者である真野あやみさんのエッセイもあわせてお読みください。

完成・上映までのお付き合い、どうぞよろしくお願いいたします。

2023年03月23日 00:06(Ready Forに投稿の記事からの転載)


このたびは、『解離性同一性障害(多重人格)への理解が深まる短編映画を作りたい』プロジェクトを応援いただき、ありがとうございます。

本日、募集期間が終了し、なんと150%のご支援が集まり、無事達成することができました。

 

まだ存在していない映画に、意義を感じてご支援をいただきました皆様には、本当に心から感謝しております。

 

今回のキャスト、スタッフの皆さんも、演技、撮影、衣裳や楽曲の制作等といったお願いした役割のみならず、この映画を少しでも良いものにしようと、積極的にさまざまな協力をしてくださっています。

そうした多くの方々の想いが、見てくださる方にもきっと伝わるのではないかなと感じています。

 

これからまだ完成、上映と控えておりますので、引き続きお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

 

さて、肝心の映画ですが、現在、編集の真っ最中です。
編集は切って並べてくっつける、という作業ですが、具体的には以下のようなことを行っています。

 

ーーーーー


●1つのシーンを何か所からも撮影するので、それらをつなぎ合わせる。
今回、36シーンあり、1シーンが1カットの短いものもあれば、何カットも撮る場合もあります。

例えば、主人公ともう一人のシーンでは、
(1)主人公を映す

(2)相手を映す

(3)2人を映す

(4)主人公の手に持っているものを映す

(5)主人公の顔のアップを映す

(6)相手の顔のアップを映す
といった感じで、1シーンに何カットも撮って、それらを数秒単位で切って貼ってつなげたりします。

 

●マイクで録音した音声を映像に合わせる
カメラのマイクだけではキャスト全員のセリフをきれいに拾えないので(そしてそんなにきれいではないので)、ガンマイクという専用のマイクを長い竿(ブーム)に取り付けて、マイクの先をセリフを話す人にこまめに向けて録音をします。
ガンマイクだけでは録音できない場合、特にセリフの多い人には服の中にピンマイクをつけて、無線でレコーダーに飛ばして録音します。
こうして録音した音声を、パソコン上で映像と合わせて編集します。
騒音がひどい場所で撮影した場合は、セリフだけを静かな場所でアフレコして、口の動きに合わせてはめ込んだりします。


●効果音や音楽を加える
映画やドラマでは映像に注目されがちですが、耳からの情報は実はとても大きいと、映画を作り始めて知りました。

物語に没頭できるかどうかに大きく関わってくる部分だと思っています。

 

●色を調整する
作品の雰囲気を伝えるために、色も重要です。
今回、回想シーンや、時系列がポンポンと飛ぶようなお話しなので、それらが分かりやすいようにと、色もシーンごとに調整しています。

 

●タイトルや字幕、クレジットなどを入れたりする
最後の最後に作業します。間違いがないようにと、緊張します。
今はパソコンで簡単に修正できますが、以前は発注して印画紙に焼き付けだったので間違えると大変だったと思います。

 

ーーーーー

 

毎日パソコンに向かい、ヘッドホンをいくつもとっかえひっかえし、いろんなデバイスで色味や音を確認しながらの、孤独な、でも、とても楽しい作業です。

 

また、これから主題歌のレコーディングがありますので、それも非常に楽しみです。

 
引き続き、どうぞよろしくおねがいいたします。